2005.6.10〜2005.6.11
伝説と神話の国へ
(大山神社)、吉備津彦神社、宇部神社、倭文神社、(白兎神社)、大山祇神社

 鳥取砂丘とは如何なるところなのか?かねてより興味があった。しかし、山陰地方への仙台からの移動は距離や交通手段を考えると最も移動するのが難しい地方となる。
 今回は6月10日〜6月12日の期間、飛行機で広島へ移動し、レンタカーを使用して鳥取県の一の宮巡拝と砂丘をこの目におさめることと、以前中国地方を訪れた際(一の宮巡拝記27 瀬戸内 風にふかれて を参照)にお世話になった方々への御礼も目的の一つに加えた計画を立てた。(ちなみに広島-仙台間の往復は、出張で溜め込んだマイルによる特典航空券を使用したので、出費は抑えられていることを追記しておく。)
 事前準備としては、今回巡拝予定の鳥取県の倭文神社は、あまり大きくない神社であるとお聞きしていたので、事前に電話にて6月11日の午前中に伺う旨を伝えた。また、尾道の暖談さん(一の宮巡拝記17 伊予、備後へ を参照)に電話し、6月11日夕方にお邪魔することを伝えた。


6月10日

 天気予報によれば、6月11日の鳥取地方の天気は雨とのこと。雨の中の参拝となる覚悟をし、カメラの装備を一ランク下げ、手荷物を少し身軽なものとした。
 フジ丸に乗り込み、仙台空港近くのなじみの駐車場に到着すると、なぜか混んでいた。聞くと、6月に入り忙しくなったとのことだ。
 空港に送迎車で送ってもらい、お世話になっている方にお渡しする土産物を買い込み、それらを預け荷物とするトランクに全て押し込み、チェックインカウンターに移動した。 トランクを検査機に通すと、チェックに引っかかった。昨晩、尾道の暖談さんへの土産として忍び込ませた日本酒の「浦霞」が引っかかったらしい。浦霞は手荷物となってしまった。
 まだ出発には間があったので、手荷物検査を受けた後、ラウンジで旅の計画を再確認した。天気がよろしくないようなので、行程を組み替えることを考えてみたが難しい。移動はレンタカーであるので、事前計画の通りの旅程で行動することにした。
 ANA801便は予定より多少早く広島空港に到着し、11:00にはマツダレンタカーで車を借り受けることができた。車はAZ Wagonで、この車種は讃岐、阿波の一の宮巡拝の際に運転したことがあったのであるが、今回の車はパワーが出ていない気がした。高速道路で煽られることもしばしば...。

大山神社

大山神社拝殿 本郷ICから高速道路に乗り、しまなみ海道を走り、因島を目指す。因島には以前中国地方を訪れた際にお世話になった大山神社さんが鎮座している。
 12:00少し過ぎ、大山神社に到着した。まず社務所に顔をだすと、神職の方はみなおられないようであったが、先日お世話になった2人の女性がおられた。先日のお礼を述べ、手土産を渡し、少々雑談。今度お参りさせていただく時には、”楽天イーグルス”の必勝祈願をお願いしようか?等など。その後、拝殿前に進み、お参りをさせていただき、大山神社を後にした。



 しまなみ海道を走り、山陽自動車道に乗り継ぎ、岡山の吉備津彦神社を目指す。岡山ICで高速を下り、下道を使い、吉備津彦神社に到着したのは、14:00過ぎ頃であった。

吉備津彦神社

 駐車場に向かう途中、境内側の菖蒲園では菖蒲祭りが開催されており平日であったが、見学者も見受けられた。車を駐車場に停め、拝殿前に進み、お参りさせていただいた後、少々境内を散策する。以前訪れた時よりも山桜の緑が濃くなったように感じた。その後、社務所を訪ねる。大変申し訳なかったのであるが、以前伺った時ににいただいた御朱印帳の表紙に”御朱印帳”と書き入れていただくのを忘れたと伝えると、表紙に御朱印帳と書き込んで下さった。
 先日大変お世話になった女性にお会いし、手土産を渡しお礼を述べる。覚えていてくださり、少々雑談させていただいた。お祭りの話や、山桜の話等など...。「暑くなりますので、お体には...。」とお言葉をいただいた。この日もかなり蒸し暑いと感じていたのであるが、この女性は大変涼しげであり、やはり慣れというものなのであろうか?今回は旅程の関係で、あまり吉備路で時間をとることができないが、次回は吉備路を中心にのんびり歩いてみたい旨を伝えた。涼しくなった時期にでもと。
 (追記:小生の住む仙台は、この地に比べればまだまだ過しやすく...あなた様におかれましても、お体には十分お気をつけられますように。)
 

                   
鳥居 神門にて 山桜みどり濃く

吉備津彦神社の鳥居

神門にて 山桜みどり濃く

 (掲載の写真は、前回のものと違うものを...と考えたが、撮影する人間が同じなので、拝殿周りの写真は同じアングルとなってしまい...)


鳥取砂丘

 15:00少し前、吉備津彦神社を後にし、鳥取を目指す。この日は鳥取に移動し、翌朝鳥取砂丘に訪れた後に鳥取県の一の宮2社にお参りさせていただこうと考えていたのであるが、天気がよろしくなく、移動中小雨が降ったり止んだりしている状況であり、車内のラジオの情報でも、翌日は雨の模様であったので、計画を前倒しし、足元が悪いと辛いと思われる鳥取砂丘をこの日のうちに訪れておくこととした。
 鳥取砂丘に到着したのは18:00過ぎであった。天気は持ってくれたようだ。曇ってはいたが、周りはまだ明るい。
 夕方であったためか、観光客の姿は少なく、ぼっとしながら砂浜を歩くことができた。何があるというわけではないのであるが、一度は見ておきたかった風景である。

         
砂丘夕暮れ 砂紋

砂丘夕暮れ

砂紋


鳥取の夜

 鳥取での宿は、鳥取駅前のGreen Hotel Morris。少々裏道に入ったところにあった。19:00過ぎにチェックインし、荷物を置き、食事を兼ねて、鳥取の街に出た。この日の夜は駅前の商店街?の中にあった”あじまん”さんにお世話になることにした。
 いただいたものと感想を簡単に。

 もさえび ・・・・・・・・・・ ボタンえびよりも味が濃い。お刺身としていただいた後、頭と尻尾を揚げていただけた。
 とびうおのさしみ ・・・  案外油がのっていた。
 焼き鳥 ・・・・・・・・・・・ 串にささったものを想像したが、焼いた鳥であった。
 とうふちくわ ・・・・・・・ 鳥取の名物だそうである。お酒に良く合う。
 日置桜 ・・・・・・・・・・・ 大変飲みやすくおいしいお酒であった。

 どれも、たいへんおいしくいただくことができた。

 ホテルに戻り、風呂につかることにした。
 Green Hotel Morrisには大浴場があり、宿泊者は利用することができる。せっかくなのでのんびりと足を伸ばして湯につかり、のんびり過した。

6月11日

 朝食は7:00からとのことであったので、アラームは6:50にセットしておいたのであるが4:00頃には目が覚め、テレビの早朝から映るチャンネルをハシゴしながらうとうとしていた。この日のこちらの天気はやはり雨らしい。7:00になるのを待ち、朝食を取りに行く。朝食はビュッフェ形式で、和、洋いろいろな物から選べた。食べ過ぎてもその後の行程に影響が出るので、軽くすませ、その足で大浴場に向かう。軽く湯につかり、身支度を済ませ、8:00にチェックアウトした。幸い雨は止み曇りとなったようだ。

宇部神社

宇部神社拝殿 宇部神社に到着したのは、8:30頃、鳥取市街から、東へ車で30分程度の距離に鎮座していた。到着した時には、天気は回復しつつあり、一部青空も見え始めた。
 拝殿前に進み、お参りさせていただいた後、境内を散策した。まだ少々早かったらしく、社務所はまだ開いてはいなかった。散策していると、ご年配の女性が祈祷まちをされていた。9:00少し前、社務所が開き早々にその女性は祈祷の受付をされ、祈祷がはじまった。
 社務所が開いたので、若い神職の方に御朱印をお願いすると、「お時間はありますか?」と問われ、「はい」と答えると、「まもなく祈祷を終え、宮司が参りますので、宮司に書いてもらいましょう。宮司のほうが達筆ですから。」とのことで宮司様に御朱印の対応をいただくこととなった。「どちらから?」と問われたので「仙台から参りました。」と答えると、「それは遠くから、先日私は福島にいってきたところなんですよ。」と、そして、せっかくこられたのでということで、宇部神社のお話をお聞かせ下さった。宇部神社は、昔のお札(5円札)に社殿が使われたこともある、珍しい神社とのことだった。当時のお札を見せてくださりながら、お話してくださった。



倭文神社 ( しどりじんじゃ )

倭文神社( しどりじんじゃ )拝殿 宇部神社を後にし、鳥取市街を抜け、9号線を西に向かう。倭文神社は、東郷池の東の御冠山の中腹に鎮座していた。
 安産の神として崇敬されているとのことで、神社境内に至るまでの参道横には安産岩があった。境内では男性の方が一人おられるだけで、静まりかっていた。拝殿前に進みお参りさせていただいた後、その男性に御朱印についてお聞きすると、こちらへと、社務所へ導かれ、御朱印をいただくことができた。


白兎神社

 宇部神社から倭文神社に向かう途中、9号線沿いに白兎神社という道路標識が掲げられていたことが気になった。時間もあるし、また、岡山方向への移動途中でもあるので、寄ってみることにした。
 白兎神社は、9号線沿いの白兎海岸側に鎮座している。白兎がワニザメに皮をむかれないているのを見て大国主命が、兎の体を洗った水とされる御身洗池等、因幡の白兎の神話にまつわる見所が多く、子供のころ読んだか聞くかした神話を思い出した。

         
白兎神社拝殿 白兎海岸

白兎神社拝殿

白兎海岸
因幡の白兎の神話が残る。


尾道へ

 この後この日は尾道に向かい、尾道でのんびり過すことにした。Naviの経路を尾道駅前にセットし、Naviの誘導にしたがって尾道を目指した。途中、天気は大変不安定で、雨にも降られた。幸いなことに、今回の旅でも重要なポイントでは雨には降られないという天気運は未だにあると、不思議に思いながらドライブを続けた。


尾道にて

 この日の宿グリーンヒル尾道に到着したのは、16:15頃。荷物を置き、尾道を少々散策後、暖談さんへ向かった。
 この日は、尾道大学の先生や、暖談のお上さんの旦那さんも見えられ、尾道の話や、仙台の話、楽天イーグルスの話で盛り上がった。ちなみに土産に持っていった浦霞はこの場で開けてしまうことになったことを付け加えておく。 今度は9月頃にこれれば、というお話をさせていただいた。



6月12日

 7:00に朝食を取りながら、この日の行程を考えた。今回の目的である、御礼、鳥取砂丘、鳥取県の一の宮巡拝は達成できたので、尾道をのんびり散策するもよし...と考えていたのであるが、ふと、「義経に会いに行こう」という考えが頭をよぎった。
 食事を終え、8:00にホテルをチェックアウトし、大山祇神社を目指した。


大山祇神社


 大山祇神社は既に訪れたことのある伊予国一の宮である(一の宮巡拝記17 伊予、備後へ を参照)が、この神社には、国宝館があり、ここには沢山の武具が保存されており、その中には源義経が奉納したとされる赤絲威鎧大袖着が展示されているのである。前回訪ねた時には、何かの理由で国宝館の見学をしていなかったのである。
 しまなみ海道を通り、大三島に鎮座している大山祇神社を目指した。到着は9:15頃、大山祇神社の拝殿に向かい、お参りさせていただいた後、国宝館を訪ねた。午前中の早い時間であったからか、観光客も少なく、のんびりとお目当ての「義経」に会うことができた。この鎧のほかに、源頼朝が奉納されたとされる紫綾威鎧大袖付や、木曽義仲が奉納された鎧等、時を忘れて見入ってしまった。
                   
大山祇神社拝殿 神門より 楠と神門

大山祇神社拝殿
参拝後、御朱印もいただいた。
以前、お参りの際にいただいてはいたのだが...。

神門より 楠と神門

帰路

 大三島を後にして、尾道に向かった。飛行機の時間まではまだ間があるので、千光寺公園から尾道の風景を眺めてから帰路につこうと考えた。
 千光寺公園駐車場に車を停め、少々かすみのかかった尾道の様子をしばしぼっと眺めて帰路についた。

         
ぼっと尾道 千光寺ケーブルカー

ぼっと尾道

千光寺ケーブルカー


 レンタカーを返却した際にメーターを見ると、799Kmであった。案外走りこんだほうであろう。広島空港ではいつものように土産物を買い込んだ。その後食事とも考えたが、暑さに負けたか食欲がでず、ラウンジにて飛行機の出発時間を待った。広島-仙台便 ANA804便は順調に飛行し、仙台には少々早く到着した。フジ丸を駐車場で受け取り、自宅への到着は21:00頃となった。

 今回の旅は、以前お世話になった方への御礼と、鳥取地方の一の宮への参拝、砂丘の情景をこの目に焼き付けることを目的とし、これらを全てを果たすことができた。
 しかし、車での移動に時間を多く費やさねばならなかったことはやむおえない事とはいえ、少々残念であった。

 Ps.  
 小生がお世話になったと思う方とは、そういう性格の方なのであることがなんとなく判ってきた。
 今回の旅でも、その方々にはお世話になってしまったのである。多分次回お邪魔した時も、お世話になってしまうのであろう。
 その方々にしてみれば、特別なことをしている訳ではなく、きっとそれが日常的な人との接し方なんであろうと思う。旅先でのほんの短い瞬間に、そういう方々と接することができることは大変幸せであり、またそういう出会いは大切にしたい。



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