2004.4.17 〜 4.18
伊予、備後へ
大山祇神社、(御袖天満宮)、素盞鳴神社、吉備津神社

〜4月16日 会社にて

 いつもにまして仕事の具合がよろしくない。
 海外の技術者と仕事をしているのであるが、受け取る設計書や資料の出来が芳しくなく、連日深夜、土日も出勤という状態。
 「ANAさんの超割の格安航空券(仙台-広島)往復、借りる予定のレンタカー、宿泊予定の尾道のホテルをキャンセルしなければならない。」
 と何度考えたであろうか。
 しかし、旅行という目の前にぶら下げられた
人参の効果は抜群。なんとか休みは確保することができることとなった。
 (私に仕事を効率的にさせる為には、旅行という
人参をぶら下げればよいのかもしれない。)


4月17日

 朝7:10に家を出て、仙台空港に自動車で向かう。少々風がついよいのが気になるが仙台地方の天気は晴。
 いつもの駐車場に自動車を預け、送迎車で仙台空港に向かい、早速チケットの発券と、手荷物検査を済ます。この日は少々込み合っていた。
 飛行機はANA801便 8:55発。10:35に広島空港に到着した。空港を出ると、オリックスレンタカーと駐車場の共同運航の送迎バスが待っており、それに乗りオリックスレンタカーに向かう。この日は晴れ。暑くなりそうである。
 11:00少し前、車両借用の事務手続きを済ませ、出発。自動車は軽自動車のミラ、ナビつきである。
 河内インターから山陽自動車道路を使い尾道を目指す。尾道から、しまなみ海道を使って、愛媛県の大三島に鎮座している大山祇神社さんにお参りする計画である。
 尾道で高速を下り、しまなみ海道の入り口に向かう途中、184号線沿いの"起八"さんで、尾道ラーメンを食した。
 どのようなラーメンが尾道ラーメンなのかわからなかったので店の親父さんと奥さんに尋ねてみた。すると、
 平うち、醤油ラーメンが基本とのこと。そして、しまなみ海道に行く途中にある、どの店も尾道ラーメンといっているけれど、いろいろなラーメン屋さんがあるから注意するようにとも教えてくださった。
 値段は450円。お安く、おいしくいただいた。
 12:00過ぎ、しまなみ海道に入る。しまなみ海道は向島ICより有料となり、ところどころ一般道を走る(まだ全線が開通している訳ではないということであろうか?)。
 12:45大三島ICで下り、大山祇神社を目指した。特に迷うことなく、大山祇神に到着したが、まずは一の鳥居を観たいと考えた。

大山祇神社

 
大山祇神社の一の鳥居は海に向かって立っていた。桟橋も整備されている。今は道路が整備されているが、かつては大山祇神社へは船でお参りにくることが一般的であったのであろう。そして海沿いの道には、阿奈波神社と大山祇神社とを結ぶかのように石灯篭が並んでいた。
 大山祇神社にお参りに行く前に時間もあるので、阿奈波神社にもお参りすることにした。阿奈波神社は大山祇神社の一の鳥居から徒歩で約20分。天気が大変よかったので辿りついた時にはもう汗だくであった。
 お参りを済ませ、桟橋そばの一の鳥居まで戻り、自動車で大山祇神社へ引き返す。13:40大山祇神社(町営駐車場 道の駅御島)に着き、早速拝殿へ向かった。
 大山祇神社は観光バスで訪れる参拝者も多いようで、この日も沢山の参拝者で賑わっていた。
 拝殿に向かうと、大きな楠があり、楠木ごしに神門、奥に拝殿をうかがうことができた。
 拝殿でお参りを済ませ、授与所にて、御朱印をお願いし、境内を撮影させていただきたい旨を申し出る。
 境内を散策しながら写真を撮影させていただいた。
 後日写真を現像して気付いたのであるが、大山祇神社の二の鳥居には日本総鎮守の文字があり、境内は厳粛な神域であったことが今更ながら気付かされた。
 

             
石灯籠 楠と神門 拝殿
阿奈波神社への参道
石灯籠が並ぶ
楠の奥に神門が見える 拝殿

尾道へ

 
14:30を回ったころ、駐車場を後にして、来た道を戻り、尾道を目指した。
 この日の宿泊先は尾道駅前のグリーンヒル尾道さんである。
 15:45頃、尾道市街に入る。時間もあるので、尾道を散策することにした。千光寺ロープウェイの近くの立体パーキングに自動車を預け、散策開始。
 まずは大林宣彦監督の作品、転・校・生のキーポイントとなった御袖天満宮にお参りすることにした。


御袖天満宮

 
5年以上前になるであろうか?尾道は、カミサンと旅行したことがあった。その時の記憶をたどり、御袖天満宮を目指したのだが、しっかりと道に迷ってしまった。
 ご近所の親切なおばさんが、参道まで案内して下さった。
 女優小林聡美さんが転げ落ちた石段を登り、拝殿にてお参りをした。折角なので御朱印をいただこうと、授与所をのぞくが人はおられない。
 ブザーを鳴らすと、近くの社務所兼ご自宅であろうか、女性が出てこられた。
 御朱印をいただきたい旨を話すと、「既に押してあるものでよいでしょうか?」とのことであったが、「折角なので、この御朱印帳にお願いできませんか?」とお願いしてみた。
 すると、字がきたないのですが、よろしければ、と言い、お引き受けくださった。
 受け取ってみると大変綺麗な字で御袖天満宮と記されていた。お礼を述べ、御袖天満宮を後にした。


尾道の夕刻

 自動車を受け取り、ホテルを目指す。運転しながら唖然。海側が昔の尾道の面影がまったくない。
 そういえば、御袖天満宮近くにあった、タイル小路も撤去したとの看板があった。
 以前尾道をカミサンと訪れた時には、松山から、船で上陸した。その際の船着場はこの辺か?などと車を流していると、なんとその船着場の2Fから上がホテルとなっており、この日宿泊するホテル、グリーンヒル尾道さんであることがわかった。
 チェックインは17:00過ぎ、夕食も兼ね、近辺を散策してみることにした。
 ホテルの前が騒がしい。なにかイベントがあるようだ。特に予定もなかったので、顔を出してみた。
 テレビ局が取材に訪れており、市の関係のお偉いさんがスピーチをしている。
 近所の小学生の太鼓の出し物や、青年団?の踊りなどの出し物のあと、向島のクレーンをライトアップするというイベントのようだった。
 なんでも、このクレーンのライトアップは、毎日続けられるとのことで、市は古いものと新しいものを融合して世界遺産を目指すなどという目標を掲げているようだった。
 多少、困惑しながらも街中を散策し、食べ物やさんを探したのだが、なかなかよいお店が見つからない。
 すると、以前カミサンと尾道を旅した時に立ち寄ったお好み焼きやさんを思い出した。
 行ってみると、まだあった。
お好み焼き鉄板焼き 暖談さんという。
 お店に入ると、女性が1人で切り盛りされていた。記憶を辿ると、以前もこの女性であったような気がした。
 失礼を承知で、以前からこのお店をされていたか尋ね、カミサンと旅行したとき立ち寄った時のメニューを話すと、もちろん覚えていてはくださらなかったが、間違いなく、このお店に立ち寄ったことを認識していただいた。
 広島風のお好み焼きを2枚、一枚は豚肉と焼きそば、もう一枚は豚肉に、納豆、うどん。ビールを頂きながら、以前の尾道の話や、仙台の話、広島の話などのんびりとさせていただいた。
 「尾道はのんびりするでしょ。それはね、子供と年寄りしかいないからなのよ。」
という言葉が忘れられない。
 短大を4年制の大学にした学校があるそうなのだが、大きい学校はそれくらいで、また企業もないので、高校を卒業すると、みな街を出て行ってしまうとお話されていた。
 他地区在住のものには聞かないと分からない事情があり、少し悲しく感じた。
 さて、余談であるが...お話を明るい話題に...
 少しおどろいたことに、このお店は、ヒカルの碁という漫画や同漫画のアニメの一場面に登場して、その筋の人たちの間で有名になってしまったらしい。
 丁度暖談さんが舞台となった週刊誌を見せて下さった。漫画家さんの分析力と描写力というのはものすごいものがあり、生ビールのサーバーの位置や、植木鉢の位置まで見事に書き込みがなされていた。興味のある方は参照されたい。 ヒカルの碁15巻にこのお店は登場している。

 お腹は満腹になり、ホテルに戻ると21:00過ぎ。のんびりとテレビを見ているうちに眠りに落ちてしまった。
 

           
御袖天満宮参道 クレーンのライトアップ 暖談さんにて
御袖天満宮への参道 ライトアップされた日立造船所のクレーン 暖談さんにて
お好み焼きご馳走様でした。

 
4月18日

 朝7:00に起床し、ホテルで朝食をとり、少し散歩した。
 この日もよい天気である。
 8:00にチェックアウトし、自動車で、福山にある一の宮、素盞鳴神社、吉備津神社を目指した。
 初めての土地のわりには迷うこともなく、9:15頃には素盞鳴神社に到着してしまった。(ナビのお陰か?)

 

素盞鳴神社


 素盞鳴神社は国道486号線から少し入ったところで、福塩線上戸手駅の北側に位置している。この周りを少し走ってみた。鳥居横に参拝者用の駐車場を発見したので、自動車を停め、鳥居をくぐり境内へ。
 境内では、近所の方であろうか、掃除をされておられた。かるく挨拶し、拝殿にてお参りを済ませ、社務所を訪ねる。
 社務所は留守のようであったが、社務所の周りを掃除していた女性に声をかけると、神社の方らしく、直ぐに社務所を開け、御朱印をいただくことができた。

吉備津神社

 吉備津神社は、素盞鳴神社からさほど離れていない。車で約10分程で、道には看板も整備されており大変わかりやすい。
 一の鳥居をくぐり、随身門を潜ると、巨木、公孫樹を左手に観ることができた。
 急な階段を登ると、もう一つの随身門があり、神楽殿、本殿と続く。
 この神社はイッキュウサンと親しみをもって呼ばれているとのこと。
 早速本殿でお参りし、社務所にて御朱印をお願いした。男性の神職の方が対応してくださった。
 この方のお話を伺ったところ、一の宮の掛け軸というものがあるらしく、その巻物に御朱印をいただいていくというものらしい。もしお金と時間に余裕があり、2巡目を考えるようなことがあったなら、考えてみる余地もあるが...
 そんなお話を神職の方としていると、一の宮巡りをしているという年配の男性が社務所を訪ねてこられた。60社ほどお参りされたとのことで、この日はタクシーを待たせていて、これから素盞鳴神社さんに向かうとのことだった。お急ぎのようであまりお話をお聞きすることができなかったのは少し残念であった。
 この男性、御朱印帳の墨が乾きにくいことの対策として、御朱印帳の一回り小さい大きさの、ダンボールでできた1センチ程の枠を持ち歩いておられた。これをはさんでおけば、ページが密着することがない。なかなかのアイディアである。早速真似してみることにした。
 

             
素盞鳴神社拝殿 吉備津神社拝殿
素盞鳴神社拝殿 吉備津神社拝殿

尾道ふたたび

 
吉備津神社を出るとき時計を見ると、10:45まだまだ時間はある。どうしようかと考えたが、尾道に戻ることにした。
 福山東インターから高速を使い、尾道駅に着いたのは、12:00過ぎであった。
 駅前の駐車場に自動車を停め、まずは腹ごしらえである。昨夜に続き暖談さんにお邪魔して、広島風お好み焼きのうどんをいただいた。
 午後からまわれるスポットを検討し、千光寺山公園から尾道を見渡して、帰仙することにした。
 暖談のおばさんには、また遊びに来る旨を述べ、千光寺山のロープウェイ乗り場を目指す。
 千光寺山からの景観はよく、先日走ったしまなみ海道も見渡すことができた。
 
帰路 

 尾道駅でお土産を買い込み、山陽自動車道路を広島空港へ向けて走らせる。レンタカーを返す前に給油する。約20リッター程である。これだけ走って20リッターというのはさすがに軽自動車である。
 広島空港には16:00過ぎには到着した。仙台行きのANA804便は18:35発である。かなり時間がある。みやげ物やさんをのぞいたりしてみるが、さすがに2時間半の時間は簡単につぶせるものではない。もう少し尾道で遊んでくればよかったのか?
 夕飯を少し早いが取ることにした。尾道ラーメンを頼んでみた。まずいわけではないが、コク、味とも今一つ。昨日本場で食べているので、なおさらそう思われたのかもしれない。食べ終わり、ぶらついていると、ビジネスラウンジなるものを発見した。私の持っているカードで無料で利用できるようだ。入ってみると、ドリンクを無料でサービスとのこと。
 雑誌なども準備されており、出発時刻までのんびりと暇をつぶすことができた。
 ANA804便は定刻通りのフライトで、20:00に仙台空港に到着した。
 自動車を受け取り、自宅への到着は21:00頃となった。

 今回の巡拝は、遠い地方を2日という日程で旅した割には、大変のんびりと落ち着いた気持ちで旅を終えることができた。
 うまくいけば秋ころになるだろうか? カミサンと厳島神社の参拝を考えている。
 その時にまた尾道に立ち寄り、お好み焼きをいただきながら、ビールをいただくのもよいかと考えている。
 それまで待てず、仕事に疲れた際の息抜きにぷらっと出かけてしまうかもしれないが...。

 


戻るアイコン