2009.4.6〜2009.4.7
我が旅路に果てはなく (後編)


4月6日

 この日は旅の友人小林氏と行動を共にする。阿倍野橋駅で7:20分待ち合わせの予定である。
 5:30に起床して、6:00にチェックアウトし、天王寺に向かう。6:20には天王寺に着き、コインロッカーにこの日必要のない荷物を詰め込み、阿倍野橋駅に向かおうとするが、場所が分からない。キオスク開店の作業をしていたおばさんに道順を聞き、阿倍野橋駅に向かう。小林氏との待ち合わせ時間より、かなり早く着いてしまった。暇なので少し付近をうろついて時間をつぶしていると、7:00頃、待ち合わせ時間より少々早かったが小林氏と合流することができた。
 朝食を近くの商店街にあった「宮本むなし」といういかにも関西人らしいネーミングの定食屋でとる。卵丼をチョイスしたが、味はまずまずであった。
 その後、とある神社に移動した。


とある神社

舞台 この日はとある神社の春祭の日で、昨年に続いての参拝である。
 神社に着くと、一年ぶりに再会する友人が既に到着していた。この神社の春祭では舞の奉納が行われるのであるが、神社関係の方がその客席が準備されているところであった。


春祭にて

 仮設の受付にて初穂料と、仙台土産をお渡しして記帳すると、「わざわざ仙台から、今日は晴れて本当によかったです。ぜひ楽しんでいって下さい。」と、受付の女性がお下がり(立派な包であったので恐縮してしまったが...)と、たこ焼き券を手渡して下さった。
 少しして、神事に引き続き、舞の奉納が始まった。この神社で奉納される舞は、浪速神楽といい、毎年複数の演目が奉納される。今年は昨年と異なった演目も奉納され、良い天気の中、しばし時間を忘れて奉納される神楽に見入ってしまった。
 昨年参拝時の巡拝記にも記したが、各演目が奉納される前に、宮司様から、その演目の見どころや、特徴を解説して下さる。大変親しみやすい。
 昼食時期には、恒例となった、おにぎり、そして午後の舞の奉納の合間には草餅が参拝者にふるまわれた。これらは昨年この地方で収穫されたお米でこしらえられたものである。ありがたく頂戴した。このように今年も大変暖かい祭を一日楽しむことができた。

春祭の準備完了 今年も桜は満開 祭りの始まり
春祭の準備完了

拝殿は提灯にて飾られた。
今年も桜は満開

開花は例年より早かったが、
前日まで少々寒かったので、
花がもったと宮司様が話しておられた。
祭りの始まり

神事に引き続き、
舞の奉納が始まる。


  この日奉納された神楽の演目は以下の通りである。

一.式神楽

式神楽 式神楽 式神楽 式神楽


一.剣ノ舞

剣ノ舞 剣ノ舞 剣ノ舞
剣ノ舞 剣ノ舞 剣ノ舞


一.胡蝶吾妻

胡蝶吾妻 胡蝶吾妻 胡蝶吾妻 胡蝶吾妻


一.豊栄舞

豊栄舞 豊栄舞 豊栄舞 豊栄舞


一.浦安の舞

浦安の舞 浦安の舞 浦安の舞
浦安の舞 浦安の舞 浦安の舞


休憩
 昼の休憩時間に気の向くまま撮影してみた。
 この時間に、個人的な写真もかなり撮影させていただいているが、この場での公開はひかえることにする。

休憩 休憩  
  休憩 休憩


一.四條流儀式包丁道

四條流儀式包丁道 四條流儀式包丁道 四條流儀式包丁道


一.(新人)式神楽
 神楽舞を習い始めた方中心の式神楽の奉納との説明を受けた。故に演目には"新人"との括弧書きが付け加えられているとのこと。
 いつから神楽舞を習い始めたかという細かい説明はなかったが、昨年の春祭ではお見かけしなかった方々なので、習い始めて1年未満ということであろうか。
 舞終えた後に、彼女達に先輩から花束贈呈があった。大変暖かい光景である。

 (新人)式神楽  (新人)式神楽  (新人)式神楽
 (新人)式神楽  (新人)式神楽  (新人)式神楽


一.朝日舞
 昨年は女性の一人舞であったが、今年は男性(少年)が一人、女性(少女)が二人の三人舞であった。
 本来男性の舞とのことであるが、女性が狩衣を着装して舞う場合もあるとのこと。

朝日舞 朝日舞 朝日舞


一.花剣
 午前中に奉納された剣ノ舞の剣を可憐な花の咲いた枝に持ちかえ舞われるものとのこと。

花剣 花剣 花剣
花剣 花剣 花剣


一.雅楽
 とある高校の雅楽部の皆さんが奉納された。舞の奉納の際に奏でられた雅楽も、他の奏者と一緒にこの学生さん達が奉納されていた。

雅楽


一.紅わらべ

紅わらべ 紅わらべ 紅わらべ 紅わらべ


一.悠久の舞

 悠久の舞  悠久の舞  悠久の舞  悠久の舞
 悠久の舞  悠久の舞  悠久の舞  悠久の舞


一.四方拝
 当初演目には記されていなかったが、参加が難しいと思われていた舞手の方がこの祭に間に合ったとのことで、演目に加えられた。

四方拝 四方拝 四方拝


一.花湯

花湯 花湯 花湯


一.鈴扇

鈴扇 鈴扇 鈴扇
鈴扇 鈴扇 鈴扇


 15:00頃、楽しかった祭の時間が終わってしまった。可能であればまた来年も参拝させていただきたい。


京都へ

 この日は京都の伯父殿宅に泊めてもらうことにしていた。
 伯父殿宅のもより駅は京阪電車の樟葉駅である。途中旅の友人と大阪で分かれ、京阪電車で樟葉に向かった。
 以前訪れたのはいつの頃だったろうか。一の宮めぐりを始めたてのころだったろうか。駅前はさほど変わってはいないようであるが、伯父殿の家に迷わず辿りつける自信もなかったので、樟葉駅から電話してみると、伯母殿が車で駅まで迎えにきてくれるとのこと。助かった。駅のジューススタンドで生ジュースをすすりながら、迎えをまった。
 伯父殿はもう引退はしてしまったが、技術者であったので、この夜は尽きることなく色々な話をした。そして明日は伯父殿と京都を散策することとなった。
 久しぶりに従姉とも会い、彼女には翌日伯父殿との京都散策の作戦立てに協力してもらった。


4月7日

 のんびり起き、朝食を御馳走になる。この日は昨晩練った作戦通り伯父殿と祇園近辺を流すことにした。11:00頃、伯母殿に車で樟葉の駅まで送ってもらい、ホームに入ると、すぐに京阪の特急が滑り込んできた。


京都散策

 祇園四条(以前伯父殿と散策した際はは四条であったが...)で下り、大荷物をコインロッカーに入れ、八坂神社方面に向かった。夕方に、京都から直接伊丹空港に向い帰仙の予定であったので、ここまで大荷物を引きずっていたのである。
 ちょうど昼の時間帯であったので、はじめに昼食をとることにした。
 平日であるというのに、人が多い。伯父殿お勧めの祇園の天ぷら屋は長蛇の列。いつも伯父殿と散策する際立ち寄るいづうは定休日。少し歩いてそば処へん古の暖簾をくぐり、天ざるを注文した。案外混んでおり、カウンターの中では店員が忙しそうに動き回っていた。味はよいと思った。天つゆは茶色い。関西のうどんの汁は透き通っているのであるが、そば汁は茶色いのだと伯父殿。そば湯はつかなかったのが少々残念。
 店を出、八坂神社に参拝した後、円山公園を流した。桜は満開。人出も多く、屋台もたくさん出ていたが、のんびりと桜をめでながら歩くことができた。そして、円山公園の枝垂れ桜に出会うことができた。この桜は、国語の教科書の東山魁夷の随筆に描かれたにものだと思う。うるおぼえであるが、「花は月を見上げる。月も花を見る。」という一文が頭のどこかに記憶されていた。かねがねずっと出会いたいと思っており、とうとうこの日で会うことができた。付き合ってくれた伯父殿に感謝である。
 東山魁夷は、この桜と月が呼応した姿を見た時、それまでの雑音も雑踏も消えたと記していたと記憶している。まさにその通りで、この桜を見た時に、その桜以外のものは視界から消え、何も音が聞こえなくなった。集中するとはこういうことなのであろう。
 その後、再び祇園を流し、建仁寺へ。そして久しぶりに風神雷神図屏風、そして法堂の龍と再開した。かつて伯父殿と建仁寺を訪ね、法堂の天井一面に描かれた龍の絵に驚かされた記憶があった。今回も言葉なくただ頭上を見つめた。
 また庭園も見事なもので、しばし時間が経つのもわすれてしまった。これが京都、癒されるという感覚なのであろう。
 夕方伯父殿とは京都駅前の喫茶店で一服し、次回は紅葉の季節に散策をお付き合いいただく約束をして別れた。

八坂神社へ参拝 円山公園の枝垂れ桜 円山公園の枝垂れ桜
八坂神社へ参拝

円山公園へ向かう前に
八坂神社に参拝した。
円山公園の枝垂れ桜

念願の枝垂れ桜に対面
円山公園の枝垂れ桜 

桜の時期に
京都を散策できたことに感謝
 
祇園の小路を散策 建仁寺の龍 建仁寺の庭園
祇園の小路を散策

建仁寺へ向かって歩く。
建仁寺の龍

法堂の龍と再開。
しばし時を忘れ、その迫力に見入る。
建仁寺の庭園

なんとなくほっとする景色である。



仙台へ

 京都駅前を16:55発の大阪伊丹行きのリムジンバスは55分ほどで空港まで連れて行ってくれた。
 すぐにチェックインし、荷物を預け、少し早いが夕食をとることにした。伊丹での食事は、いつも決まっており、PIZZA-LA EXPRESSで、ピザとフライドポテトのセットでドリンクに生ビールをつけてもらう。飛行機出発まではまだ間があったのでのんびりと夕食をとらせてもらった。
 飛行機はほぼ定刻通り飛行し、21:00頃仙台に到着した。以前であれば、車を駐車場で受取り、自分で運転して帰る(今回はアルコールが入っているので不可であるが...)か、リムジンバスで帰るかしかなかったが、アクセス鉄道が開通してくれたので移動が大変便利になり、自宅への到着は22:00、伊丹空港から2時間20分ほどで自宅に到着したこととなった。





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