2003.3.8〜2003.3.10
関西、中部地方 一の宮巡拝の旅
伊和神社、粟鹿神社、出石神社、籠神社、大神神社、敢国神社、都波岐奈加等神社、椿大神社、大神神社、真清田神社、南宮大社、坐摩神社、枚岡神社、(松尾大社)

 まだ寒い初春、3日間の予定で関西の一の宮を巡拝することにした。
 旅立ちの前日、3月7日の仙台は大荒れの天気、8日の朝、飛行機が飛ぶか危ぶまれた。
 3月8日早朝、車で仙台空港に向かう。懸念された雨は上がっており、風が少し強いことが多少心配である。
 車を空港近くの駐車場に停め、空港につくと、飛行機は問題なくフライトする模様。
 チェックインを済ませ、今回も全面的にご協力(ドライビング)を仰ぐ友人小林氏に予定通り旅立てる旨を連絡した。
 小林氏とは、伊丹空港で9:30に待ち合わせをしていた。定刻通り飛行機は到着し、予定通り合流に成功。伊丹空港(大阪)の天気はまずまず。一社目の伊和神社を目指す。

3月8日

伊和神社
 
中国自動車道を山崎インターで下り、29号線を北上する。地図上も伊和神社は国道沿いでわかりやすい。道の駅の向いのようなので、まずは道の駅を目指す。
 走行中、天気が怪しくなり、吹雪いてきた。
 境内は鬱蒼とした木々に囲まれ落ち着いた雰囲気であった。拝殿への参道は天候も雪であったため、なおさら薄暗く感じられたのかもしれない。
 雪が降る中お参りし、社務所にて御朱印をいただいた。

粟鹿神社
 
兵庫県道8号線を使う。ノーマルタイヤで雪の峠越えを決行。峠の頂上付近で大型バンが一台チェーンを装着していた。「下りで滑ると怖いから」とのこと。
 我々の車にはチェーンなぞ積み合わせていない。そのまま行くしかない。
 (私は東北人で、冬になるとスタッドレスタイヤにすぐ履き替えてしまうので、ノーマルタイヤの限界を知らなかったが、無理をしなければノーマルタイヤも案外踏ん張ってくれることを知った。もちろん危険なので、雪が積もっている場合は滑り停めは必要である。)
 雪の峠をなんとか越えた後、播但道を使い、神崎南で下り、粟鹿神社にたどり着く。
 お参りを済ませ、境内を散策する。参拝者、神社関係者の方の人影はなく、御朱印はどうしようかと少々困った。
 人影のない社務所をのぞくと、小さな張り紙があり、向かいのお宅を訪ねるようにと記してある。
 早速向いのお宅を訪ねてみる。優しい物腰の女性が対応してくださった。
 「どちらからこられましたか? 出石さんにはもういかれたのですか?」
 「仙台からです。これから伺うところなんです。」等々、お話を少しさせていただき、粟鹿神社を後にして出石神社に向かう。

出石神社
 
426号線を豊岡方向に出石川沿いを北上し、右折すると出石神社に到着した。
 出石神社は、出石町という静かな小さな町に鎮座していた。
 木造の一の宮と記された鳥居をくぐり、拝殿へ向かう。拝殿では、何名かの参拝者とすれ違った。
 お参りを済ませ、社務所へ向かう。社務所に人影はないが、お守り等がならべられている。呼び鈴を鳴らしてみると、ご夫婦であろうか、お二人の神職の方がみえられ、御朱印をいただくことができた。

籠神社
 
籠神社は、日本三景天橋立のすぐ近くに鎮座している。
 籠神社は、いくつかある元伊勢と称する神社の一つであるが、内宮(天照皇大神)、外宮(豊受大神)の両宮の元宮と呼ばれている。
 社殿をのぞきこむと、伊勢神宮御正殿と、籠神社にしかないといわれる、5色(青、黄、赤、白、黒)の座玉(すえだま)を目にすることができた。
 お参りを済ませ、授与所に向かう。
 観光地に鎮座していることもあり、参拝者の数が多いのであるが、神社の傍に天橋立を見下ろすことができる展望台へのケーブルカー乗り場があるせいか、参拝者の足どりが速く、混雑することなく御朱印をいただくことができた。天の橋立
   
 なにを隠そう、私は天橋立を観光したことがなかったので、籠神社お参りのついでに、ぜひその風景を眺めてみたいと考えていた。
 籠神社傍のケーブルカー乗り場から展望台に登る。天気はあいにくの霙まじりの雨となり、天橋立も霧でかすんで見えた。
 しかし、少し待つと、霧も晴れ、天橋立を拝むことができた。

 天橋立から、帰路につく。軽くおなかになにか入れることにし、天橋立付近のドライブインで、カニラーメンを食す。
 殻付の半身のカニが入っており、身も多く、ドライブインとしては良心的に感じた。
 その後、私の宿泊先である、大阪中津の三井アーバンホテルへ高速道路を乗り継ぎながら向かう。
 チェックインを済ませ夕食をとる。せっかく関西にきたのだからということで、おこのみ焼きをリクエストした。
 梅田のお好み焼き屋"ゆかり"に入る。牛スジ入りお好み焼きや、焼きものを食す。大変美味、かつ、店員さんも面白く楽しい時間を過ごすことができた。
  翌日は朝7:00に梅田で待ち合わせることにし、小林氏とわかれ、大阪の街をぶらつきながらホテルに向かう。

Ps.
 関西人は、焼きそばとご飯を一緒に食べるそうである。(仙台人の私には納得がいかない。)
 

3月9日

大神神社
 
朝7:00に小林氏と梅田で合流し、奈良県桜井市三輪の大神神社を目指す。
 日本一巨大と言われる鳥居を抜け、拝殿へ向かう。
 大神神社は三輪山全体をご神体としてお祀りしているとのことで、境内も大変広く、参道は木々が茂り、冷たい空気が流れていた。
 到着したのは8:30と、少々早い時間であったが、既に参拝者も見受けられた。この日は何組か結婚式も行われるようで、神職のみなさんは式の準備をされていた。
 お参りを済ませ、境内を散策しながら授与所が開くのを待ち、御朱印をお願いすると、社務所にて受け付けてくださるとのことだったので、拝殿横の社務所に向かう。
 社務所では女性の神職の方より御朱印をいただいた。

敢国神社 
 自動車専用国道25号線を名古屋方面へ向い、伊賀一の宮インターで下りる。
 地図では、25号線を名古屋方面に向い右手と読み取れたので、25号を下りた後海側へ向かうが、一向に見当たらない。引き返し、25号を横切り山側へ向かってみると、敢国神社の文字を発見。どうやら一旦逆方向に向い、回り込んで行くらしい。
 少々道に迷ったが、敢国神社に到着。境内に入ると、元気な鶏が陽だまりの中を走りまわっていた。
 拝殿にてお参りを済ませ、社務所にて御朱印をいただく。
 若い神職の方が対応して下さった。 
 ご朱印帳を受け取ると、
 「こちらの御朱印帳の日付を間違えて前日の日付を記入してしまいました。」
 とのこと。
 見ると、2冊お願いした片方の御朱印帳の日付が8日と記されていた。
 全国一の宮御朱印帳にはきちんと当日の日付が記されているし、参拝できたことが重要なので、
 「気にしませんよ。」
 とお話しし、敢国神社を後にした。

都波岐奈加等神社
 
自動車専用国道25号線を名古屋方面へ向い、亀山インターで下り、1号線を鈴鹿方面へ向かう。
 途中、「椿大神社 左折」の看板を見つけたが、先に、都波岐奈加等神社へ向かった。(特に理由はない)
 都波岐奈加等神社へ到着すると、天気は晴れのよい天気であったが、風が大変強く、冷たい。
 都波岐奈加等神社の境内は広くはないが、社殿は大変新しい。
 境内には人影はなく、静まりかっていた。
 お参りを済ませ、社務所に向かうと、社務所も閉まっており、人影もない様子。しかし、拝殿はきちんと清掃がなされており、社務所の横に車が一台止まっている。
  社務所についている呼び鈴を押してみると、奥からお年をめした、神職の方が出てこられ、御朱印をいただくことができた。

椿大神社椿大神社の石段
 
都波岐奈加等神社を後にして、椿大神社に向かう。椿大神社は先ほど看板も見つけているので、最悪来た道を引き返せばたどり着くことができるので、気が楽であった。
 しかし、そのような考えを持ったのは私のみであり、ドライバーの小林氏は、地図読みをしつつ最短経路による到達を検討していた。
 脇道から、1号線へ合流、その後、裏道を使い、椿大神社へ向かう。途中茶畑が広がる。この一帯は伊勢茶の名産地とのことであった。
 12:00頃、椿大神社に到着し、拝殿へ向かう。拝殿前には石畳で段差が少ない石段が続く。この石段に木漏れ日が落ちる情景は大変暖かく感じられた。
 お参りを済ませ、社務所にて御朱印をお願いしている間、境内を散策する。
 この日は日曜日ということもあってか大変多くの参拝者が訪れていた。

大神神社
 
鈴鹿インターから東名阪自動車道にのり、御在所サービスエリアで少し休憩をとる。伊賀牛コロッケなるものを食す。ちょっとした腹押さえといったところである。
 弥富インターで東名阪自動車道を下り、愛知県は一の宮市の尾張一の宮、大神神社を目指す。
 大神神社は薬師寺に隣接していた。
 境内には人影はない。まずは、お参りをと思い、拝殿に向かうと、宮司様(山田様)のご自宅への地図と、連絡先電話番号が記されたメモが貼ってあった。
 お参りを済ませ、早速宮司様のお宅に向かう。
 宮司様のお宅の呼び鈴を鳴らすと、小学生くらいのお嬢さんが現れ、お家の方に来客者を知らせている様子。少しして、そのお嬢さんの招きで宮司様宅の玄関をくぐる。
 お嬢さんは玄関に入ると、座布団を敷き、少しお待ち下さいと、我々に対し、きちんと接客をしている。大変気持ちのよい応対である。しっかりしたお宅なのであろう。
 少しして宮司様がこられ、御朱印をいただいた。
 この山田宮司様は、大変気さくでお話好きなようで、
 「どこからこられたか?、気をつけて巡拝なさいよ、巡拝することだけを考えてはいけないよ」
 等、いろいろなお話をさせていただいた。
 この時、私ははじめて名古屋弁を耳にした。大変威勢のよい語り口であるが、大変優しい、温かみのある方言に聞こえた。
 この地方の宮司様は、複数の神社を担当されている方も珍しくなく、この山田様も26社担当されており、いつもイベントに追われる忙しい日々を過ごされている狐の嫁入りとのことで、この日もちょうどお出かけになるところだったとのこと。
 この日、連絡もなしにお邪魔し、御朱印をいただけたことは、大変幸運であったが、大変失礼だったのではないかと少し反省もしている。

真清田神社
 
大神神社からさほど離れていない大変街中に、真清田神社は鎮座していた。
 神社の駐車場に車を停め、拝殿に向かおうとすると、狐の面をかぶった男衆の担ぐかごに、きれいな和装をしたお嬢さんがのった行列がやってきた。
 ちょうど真清田神社の敷地内にお祀りされている稲荷神社さんの狐の嫁入りのような行事が執り行われていたらしい。
 しばし見学し、真清田神社の拝殿に向かう。拝殿前は大変広く明るい。
 お参りを済ませ、社務所にて御朱印をいただき、真清田神社を後にした。

南宮大社
 
名神高速道路にのり、関ヶ原で下り、南宮大社を目指す。
 南宮大社には、陽もかげってきた16:00頃の到着となった。この時間であれば、御朱印をいただくことも可能である。
関ヶ原
 お参りを済ませ、授与所で御朱印を無事頂いた後境内を少し散策。

 関ヶ原の土地柄か、時期的にか、受験生の参拝も多いようで、たくさんの絵馬が奉納されていた。天下分目難関突破の文字も目に飛び込む。そろそろ結果がでているころだろうか?

 南宮大社の境内では朱色が目に付く。

 また、最近神社建築を興味深く見るようになっていたのであるが、この南宮神社の本殿には神社建築特有の千木や、堅魚木も見受けられなかったのが興味深い。
 神職の方にお聞きすべきであった。

 南宮大社から、名神高速を使い帰路につく。19:00に大阪梅田に到着する。
 今日は、餃子などをつまみながらビールをいただく。一口餃子のお店で、色々な餃子を楽しむことができた。
 2日間お付き合いいただいた友人の小林氏とは、次回、東北での再会を約束し、ここでわかれ、中津のホテルに向かう。
 中津のホテルには、21:00頃到着した。
 明日は電車を使用して大阪、京都方面を巡拝、散策する予定である。

3月10日(最終日)

坐摩神社
 
朝8:00にホテルをチェックアウトし、地下鉄の中津駅から地下鉄御堂筋線で本町へ向かう。
 本町駅の15番出口に坐摩神社の文字を発見、少々道に迷いながら、坐摩神社に到着した。
 坐摩神社はオフィス街に鎮座しており、ビジネスマンが出社前にお参りしているらしく、スーツ姿の参拝客があとを立たない。(ちょうど出勤時間であった。)
 この神社の境内には、防火の神を祭る陶器神社もお祀りされていた。
 お参りを済ませ、社務所にて御朱印をいただく。社務所は、オフィス街の神社らしく、拝殿横のビルの一階となっていた。

枚岡神社
 本町より地下鉄御堂筋線で難波、ここで近鉄奈良線に乗り換え、枚岡神社のある枚岡を目指す。
 小林氏に、枚岡は各駅停車しか止まらないと聞いていたので、難波で普通電車に乗車する。途中何度か通過待ちをしたが、10:00過ぎには枚岡駅に着いた。
 枚岡神社は近鉄枚岡駅に隣接しており、駅を出るとすぐ参道が続いていた。
 お参りを済ませ、社務所にて御朱印をお願いしている間、境内を散策した。
 ちょうど梅の花の時期であった。(この巡拝記を記している3月16日、仙台の自宅の梅はまだつぼみである。)
 お天気がぱっとしなかったのが少し残念であった。
 近所の幼稚園の子供たちであろうか、親御さんにつれられ、お花見を兼ねたハイキングに訪れていた。
 御朱印帳を受け取りに、再度社務所へいくと、神職の方から声をかけていただき、旅のことや、写真のことなどを少し談笑し、枚岡神社を後にした。

松尾大社
 今回の巡拝で、もし時間が余ったならば、松尾大社にお参りしたいと考えていた。
 私の自宅の裏に松尾神社という神社があるということ、大酒飲みではないがお酒が好きであることから、酒の神様、松尾様に一度お参りしたいと考えていたのである。
 枚岡駅に着いたのが、10:45分頃、時間はあるので、松尾大社に足をのばすことにした。
 大和西大路駅で、近鉄京都線に乗り換え、京都に向かうのであるが、特急を使用してみることにした。特急指定料金が別途500円かかったが、フットレストまでついており、大変快適であった。
 京都駅からは、京都市バス28系統嵐山、大覚寺行きに乗ると、約40分で松尾大社に到着した。
 松尾大社拝殿にてお参りし、社務所にて御朱印をいただく。この日は平日だからか、参拝客はまばらだった。

 時間を見ると、伊丹発の飛行機の時間には時間が十分にあるので、この足で嵐山を散策することにした。
 松尾神社より、徒歩で嵐山方面に向かう。20分も歩いたであろうか、渡月橋に着いた。
 渡月橋を渡り、遅い昼食をとり、しばし散策。
 若いカップルと、熟年夫婦、団体観光客が多く、男の一人歩きは浮いているように思われた。今度、カミサンとのんびりと訪れることにしよう。
 JR嵯峨嵐山駅からJRで京都に向かい、京都駅からリムジンバスで伊丹空港へ移動。
 無理をすれば八坂神社へのお参りくらいは可能であったが、今回は無理をしないことにした。
 伊丹空港19:00発の飛行機に乗り、仙台空港には20:00過ぎに到着すると、駐車場への送迎車が迎えに来ていた。
 駐車場にて車を受け取り、車で自宅へ向かう。自宅へは、21:00の帰宅となった。

 今回旅は、小林氏のご協力で、多くの神社に参拝することができた。また、関西の食も楽しむことができ、大変楽しい旅となった。
 
 


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