2008.8.28〜2008.8.30
男体山登山
日光二荒山神社中宮祠、日光二荒山神社、(日光東照宮)


はじめに

 夏期休暇の終わりが近くになった日の昼過ぎのこと。外は雨、また特に急だった用事もなかったので、一の宮でまだ参拝していない神社3社のうち、日光の二荒山神社参拝計画を練ってみることにした。この計画には、男体山登山も含む。
 他の未参拝神社2社のうち、厳島神社は、10月にカミさんと参拝予定であり、残る1社の阿蘇神社は、一番最後に参拝することと決めていたので今考えることもない。
 夏休み前に1日休日出勤をしていたので、この分の代休を取ることを前提に計画を立ててみることにした。
 インターネットで男体山の登山の情報を検索すると、早朝から登り日帰りというパターンが多く紹介されているが、体力的にかなり自信がない。夜中仙台から移動して、登山し、その日の内に引き返すのはかなりきつい。また、せっかく日光まで行っているので、東照宮や、少々離れるが古峰神社にも参拝しておきたいと考えた。


8月16日(計画立案)

 宿の手配を行う。ネットでざっと探すが、大手旅行予約サイト等を眺めてみると、観光地ということもあり、なかなか1人宿泊という条件でリーズナブルな宿が見当たらない。検索条件を変え、2箇所程候補を決める。まず1ヵ所目、民望宿 陣屋に連絡をいれようとするが、この電話は使われていないとのNTTの女性の声が流れる。気を取り直し、中禅寺湖のマリーナホテルに連絡を入れてみる。経営者が変わり、ホテルレイクガーデンとなり、素泊まり形式のホテルとなったとのことで、それでもよければ1名でもOKとのことで話を聞いてもらうことができた。この時点で特に決めた日があったわけではないが、8月29日(金)の状況を聞くと、空きがあるとのことであったので、さっそく予約した。7350円とのことであった。
 大体の計画として、
 8月28日 業務終了後、男体山登山口である日光中宮祠まで移動
 8月29日 登山を行い、余裕があれば、日光の神社参拝、その晩ホテルレイクガーデン泊
 8月30日 日光の神社参拝、古峰神社参拝
 という線で進めてみることにした。こうしておけば、最悪、28日業務が長引いた時や、29日天候が不順だった場合は、29日に登山は行わず、神社巡りをし、30日に登山というスケジュールに保険をかけることができる。


8月28日

 このところ、異常気象の影響か雨が降り続いている。日光地方もここのところの1週間で晴れた日は少ない。そして天気予報では、日光滞在中も天気はよろしくない模様だ。ここのところ暇あるごとに日光の天気をインターネットでウォッチし続けていたのだ。
 この日は夜移動の為、会社を定時少し前にFlexの権利を行使し退ける。懸念された追加業務による帰宅時間が遅くなるという状況は回避された。家に向かう途中フジ丸にガソリンを満タン給油しておく。今回の移動にはいろは坂等の難所?を走行する必要があるため、パワーのあるフジ丸を選択した。
 家に着き、昨晩まで準備した登山用具や、カメラ機材を車に詰め込む。そして、最近恒例となった、小生の愚痴聞き係兼、安全運転監視役として、犬のぬいぐるみ4匹を後部座席に座らせた。
 18:00、車の距離計を0リセットし、第1の目的地である、男体山登山口のある、二荒山神社中宮祠にNaviの目的地をセットし、出発。この時まだ雨は落ちていないが湿気は高く、遠からず雨が落ちてきそうな雰囲気であった。コースは高速未使用で、できるかぎり幹線道路を進むこととした。
 時間のせいか渋滞に捕まってしまう。仙台駅前を過ぎたあたりから長町4号バイパスに抜けるまで自宅から40分も時間を要してしまった。通常の2倍以上の所要時間である。7:00時近くとなったので、バイパス沿いの定食屋に入り、縁起を担ぎ、かつカレーと、そしてトン汁を注文した。これで腹ごしらえは十分である。20時過ぎ、福島に入ったころには雨になり、途中、大雨、雷となった。


8月29日

 途中、意識してコンビニで休憩をとるようにしながら車を走らせる。日光市街を抜け、いろは坂へ。まずは登山口のある中禅寺湖畔の日光二荒山神社中宮祠を目指す。深夜いろは坂を車を走らせる。雨、雷の中、鹿の飛び出しなど、はらはらさせられながら目的地を目指し、1:00頃日光二荒山神社中宮祠に到着した。
 雨は止む気配はまったくなかった。そして深夜の神社は静まり返り大変心細くなってきた。近所にはコンビニ等の開いている店はなく、すぐ仮眠してしまおうかと考えたが、実際のところ登山は可能なのであろうか。雷が鳴り、雨がふりしきるこの状況が回復するとは思えなかった。計画上リスク回避策は練られていたので、その通り、この日は日光市街の二荒山神社や、日光東照宮を参拝することにした。となれば、これらに近い場所で仮眠をとることがよいと判断し、いろは坂を下り、市街のコンビニで軽食をとった後、仮眠をとった。
 携帯のアラームが5:00に鳴った。外は雨、止む気配もない。取りえず、何も考えはなかったが6:00に再度アラームをセットして再度眠る。
 6:00にセットしたアラームが鳴る前に明るいので目が覚めた。外を見ると、雨が止み、青空が出ているではないか。あわててフジ丸のエンジンをかけ、いろは坂をかけ上がり、二荒山神社中宮祠を目指した。


日光二荒山神社中宮祠

 6:20、山支度を整え、カメラその他の入ったリュックを担ぎ、6:20に二荒山神社中宮祠拝殿前にて参拝後、社務所にて入山の手続きを行った。通常6:00から入山を受け付けてくださるのだそうだが、天候不順であったので、こんな早朝に参拝客があるとは思わなかったのであろう、まだ準備が出来ていなかったらしく、小生の参拝にあわせて若い神職の方が社務所を開いて下さった。
 社務所にて氏名、住所等を記す、入山手続きをし、登拝料を神職の方に渡すと、お守りをおわけ下さり、登山の注意点を教えて下さった。社務所から男体山の方角に少し進むと、拝殿脇に登拝門があり、そこをくぐって御山に入山すること。そして、3合目から、4合目の間は工事用のアスファルトの道路を進むように、そして下りも同じルートを戻ってくるようにと、大変わかりやすく親切に教えて下さった。

日光二荒山神社中宮祠 唐門 日光二荒山神社中宮祠 拝殿 社務所にて入山手続き
日光二荒山神社中宮祠 唐門

門の向こうには男体山がそびえている。
雨は上っている。
日光二荒山神社中宮祠 拝殿

まずは拝殿にて登山の成功を祈願する。
社務所にて入山手続き

拝殿前の社務所にて入山手続きを行う。
お守りを神職の方よりお受けした。


男体山登山

 登拝門をくぐり、登山を開始した。4合目までは社務所でいただいた、登拝案内図に書かれていた予想通過時刻よりも早いペースで通過した。5合目で、今朝仮眠から覚めたコンビニで購入しておいたおにぎり2個をほうばり、登山を再開した。7合目を過ぎたころ、余裕がなくなり、かなりへばってきた。途中、下山者に会った。登拝門をくぐったのは小生が一番のはず。そしてまだ誰にも抜かれてはいない。考えられることは、登拝門が空かぬ間に忍び込んだのであろう。つまり、入山手続きもせずに登ったのであろう。そのような輩に耳を貸す気もなかったが、頂上はよい天気で、だれもいないとのことだけは聞いておいた。


二荒山神社奥宮(男体山頂上)

 途中、写真を撮影したりと、かなりのんびりペースで上り、途中1組の御夫婦に抜かれた程度で、頂上にたどり着いた。
 二荒山神社の奥宮に参拝し、無事登ることができる健康が維持されていることに感謝して、頂上付近の散策を開始した。雲ひとつないよい天気とまではいかなかったが、空は青く、そして中禅寺湖や、山々の景色を堪能することができた。話に聞く、頂上の大剣が天に向かい、天を突き刺すように祀られている姿を見た時に、登頂した実感が湧いてきた。
 また御神象にも挨拶することができ、頂上で小生一人で下界の景色を独り占めするという贅沢な時間を長く持つこともできた。
 ぼっと景色を眺めたり、写真を撮ったりと幸福な時間を過ごしていると、雲が流れて来た。そろそろ下山時であろうか。丁度その時、別ルートから夫婦2人連れの登山者が登ってきた。この御夫婦は、なんと犬を連れて登ってきていた。今日ではないと思うが、白根山等にもこの”わんこ”と共に登ってきたのだそうだ。話を聞くと、この夫婦が登ってきたルートは小生の登拝ルートよりも楽なコースとのことだった。話は楽しく、弾んだのであるが、これ以上長居すると、下山が厳しくなるので、話にきりをつけて下山することにした。

 登拝門  奥宮遥拝所  4号目
登拝門

この門をくぐると登山が始まる。
奥宮遥拝所

男体山1合目にある。
奥宮まで登ることが難しい
参拝者の為に建てられているとのこと。
4号目

3合目から4合目の舗装道を歩くと4合目鳥居。
ここから本格的登山が始まる。
 だいぶ晴れてきた  頂上は目前  日光二荒山神社奥宮
だいぶ晴れてきた

登山途中で来た方向を振り返る。
天気は回復してきているようだ。
頂上は目前

この鳥居をくぐると、
奥宮の鎮座する頂上である。
日光二荒山神社奥宮

登頂に成功。
まずは奥宮に参拝。
 大剣  良縁の鐘  御神像と小生
大剣

天を突きさすかのようだ。
良縁の鐘と

良縁の鐘というそうな...。
とりあえず鳴らしてみた。
御神像と小生

御神像と同じ方向を眺めてみた。
 わんこ  中禅寺湖方面 下山 
わんこ

頂上で出会った夫婦が連れておられた。
老犬なのだそうだが、
沢山の山の登頂に成功しているとのこと。
中禅寺湖方面

少々雲が多くなってきたようだ。
下山

少々頂上に長居してしまったか。
これより下山を開始する。


下山

 水は1リットル持って登ったのであるが、暑さで頂上までに8割以上消費していた。少々不安であったが、照り続けた太陽も少し陰ってきたようなので、なんとかなるであろうか。時間に関しては、少々頂上で長居しすぎたかもしれない。社務所が開いている時間を確かめてこなかったので、早足で下山した。そのせいもあってか、かなり足に負担をかけてしまったようで、筋肉痛も感じ始め、ペースを落とさざる終えなくなった。しかし、そのおかげで、木々を渡ってくる風を感じ、また猿の群れの観察等をしながらのんびりと歩く時間を持つことが出来た。 4合目で、工事用のアスファルトの道路にさしかかった時、少々心配になり、日光二荒山神社中宮祠に、現在男体山を下山中で、4合目を過ぎたところにおり、本日下山後、御朱印をいただきたいのであるが、何時まで受け付けてくれるかを携帯電話で問い合わせてみると、若い女性が元気に、「5:00までは社務所を開けております。いまそちらでしたら十分間に合います。お気をつけて。」と応対して下さった。足に筋肉痛をかかえ、少々心配であったが、黙々と歩き、登拝門をくぐり、16:25日光二荒山神社中宮祠に辿りついた。


日光二荒山神社中宮祠

 拝殿に向かい、今回の登山も挫折せず、登頂に成功した健康と、そして天候に恵まれた幸運に感謝、御礼した後、社務所に向かった。
 社務所にて、大変珍しい表紙が木でできた御朱印帳を発見。すかさずお受けした。この御朱印帳に日光二荒山神社中宮祠、登頂に成功し、奥宮に参拝することができたので、二荒山神社奥宮、そして温泉神社の御朱印、そして、持参した全国一の宮御朱印帳に、日光二荒山神社中宮祠と、二荒山神社奥宮の御朱印を、そして、登頂証明書を発行して下さるということで、こちらもお願いすると、神職の方が時間をかけ、丁寧に対応して下さった。待っている間、雨が落ちてきた。朝入山を受け付けた神職の方が、小生を見つけ、「朝早く一番で登られた方ですね。良かったですね。」と、覚えていて下さり、声をかけて下さった。一番の目的を達成したので、明日は時間的に余裕がある。「明日またこちらにお参りさせていただいてから、市街に下ろうと思います。」と話すと、「ぜひどうぞ。お待ちしています。」とにこやかに返して下さった。


中禅寺湖の夜

 ホテルは日光二荒山神社中宮祠から目と鼻の先のホテルレイクガーデンである。駐車場に車を停め、フロントを訪ねると、外人の男性が流暢な日本語で応対し、部屋まで案内してくれた。聞くと、温泉施設もあり、自由に使ってよいとのことだった。
 荷物を置き、一息つき、夕食をとるために外出することにした。昨晩車で走ったところコンビニのようなものは近辺にはないので、どうしたものか...。フロントで食事をとることができるところは近所にないかを聞いてみると、「インド料理には興味はありますか?」とのこと。面白そうなので話を聞いてみると、ホテルの系列のインド料理のレストランが近所にあり、ディナーバイキングをしているそうだ。値段を聞いてみると、大変リーズナブルであったので早速向ってみた。
 Asian Gardenに入ってみると、インド人であろうか、やはり流暢な日本語で応対してくれた。カレーやサラダ、つまみやフルーツが食べ放題である。生ビールを注文し、冷たいビールを飲みながらこれらを楽しんでいると、バイキングの他に、「タンドリーチキンです...、焼きたてのナンです...、インド風の春巻きです...。」と、バイキングの他にもいろいろとテーブルに運ばれてきた。非常においしくいただくことができた。今回の登山にはダイエットと健康維持の目的も含まれていたのであるが、すでにその目的は忘れ去られていた。
 水物を買いこみ、ホテルに戻り、さっそく温泉に行ってみることにした。男湯の暖簾をくぐると、原泉かけ流しという文字が見えた。汗を流し、湯に浸かる。多少熱めであったが、大変気持ちが良い。張った両足にも効いているようだった。
 部屋に戻り、左薬指に見慣れぬものがはまっていることに気付いた。良く見ると、2つ付けているリングの一つが温泉に入ったことで変色してしまったようだ。(小生は風呂に入る際指輪を外す習慣がない。なくさない自信がない...)変色したのは銀のリングであったので、硫黄成分の強い温泉であったのであろう。
 夕食の帰り道、購入してきたジュースを飲みながら、テレビを見ていると、大雨のニュースばかり流れており、ここからそう遠くない場所で洪水まで起きていたようだ。、しかし、小生はまったくといってよいほど雨の影響を受けることはなく目的を達することができたのは大変な幸運であったと思う。
 このニュースによれば、明日も天気はよろしくないようで、日光地方に大雨注意報まで出ている。明日は日光二荒山神社、日光東照宮、そして古峰神社にも足を延ばす計画ではあったが、少々疲れ出ているので、古峰神社は何かの機会に参拝することとし、日光二荒山神社、日光東照宮のみ参拝して帰路に着くことにした。また、天候によっては二荒山神社参拝のみ、最悪はそのまま帰路に着くこともこの時点では考えていた。
 布団を敷き、寝ようとすると、大雨と共に雷がなり、一時期停電が発生した。明日は無事帰宅することだけを考えたほうがよいかもしれないと思いながら眠りにつくこととなった。


8月30日

  8:00少し前に目を覚ました。外を見ると小雨であるが、周囲は明るく、回復しそうな予感がする。しかしテレビの天気予報では良い話はまったくない。8:30頃チェックアウトし、外に出ると雨は止んでいた。車に荷物を積み込んだ後、カメラをぶら下げ湖畔を少し歩いてみると、昨日入山を受け付けてくれた神職さんに出会った。「昨日登られてよかったですね。今日ははっきりしない天気ですから。本当にラッキーでしたね。」とのこと。まるで天気が小生の行動に合わせてくれたかのようである。これ程ついていることはめったにないかもしれない。


日光二荒山神社中宮祠

 拝殿に向かい、昨日と同様にこの幸運な天気に感謝するとともに、健康に感謝し、少し境内を散策した。境内には宝物館があるので、見学に行くと、まだ早かったからか、神社の女性が清掃をされていた。顔を出すと、どうぞと、入口を開いて入れて下さった。宝物館の中には刀剣や、神具、そしてこの神社の歴史的な写真等が展示してあり、大変興味深く見学することができた。他に見学者がいなかったので、なおさら興味深いものには足を停めることができたのもよかった。

一夜明た日光二荒山神社中宮祠 拝殿 髪飾り
一夜明た日光二荒山神社中宮祠 唐門

再度参拝し、日光市街に向かうことにした。
一夜明た日光二荒山神社中宮祠 拝殿

登頂に成功したことに感謝。
髪飾り

神社にお勤めの女性の髪飾りは
神社によって様々であるが、
こちらの神社では、このような髪飾りである。
お願いして撮影させていただいた。
”あさ”(麻:漢字は確証なし)と、
呼んでいるそうだ。


日光市街へ

男体山 宝物館におられた女性に日光の二荒山神社までは車でどれくらいかかるかをたずねると40分位とのことであった。時間もあるので、男体山の写真をとっておこうと思い、中禅寺湖にそって車を走らせ、男体山を写真におさめた。この山に登ったのかと思うと、頂上の青空の下で見た景色を思い出し、筋肉痛や疲れも癒されていくような気がした。山頂に到達した達成感による気力の充実と、周りの自然の風景がそうさせたのであろう。
 いろは坂を下り、二荒山神社の鎮座する日光市街を目指した。

 休日であったが、天気予報では荒れる見通し。そのせいか車は少なく、観光地であるところの日光の人出は少ないであろうと予想された。
 Naviには二荒山神社をセットして走り、少々歩くことにはなるが、土産物屋なども近くにある日光市営駐車場に車を停めた。
 駐車場裏手の石段を登るとすぐ前に日光東照宮の参道に出た。東照宮への道はこれですぐわかったが、二荒山神社への道が分からなかったので、拝観券を扱っていた方にたずねてみると、東照宮参道を進み、鳥居付近を左に進めばよいと教えて下さったので、まずは二荒山神社を目指した。


日光二荒山神社

 輪王寺を右手に見ながら東照宮に向かって進み、鳥居のところで左手におれ、数百メートルほど歩いたであろうか、日光二荒山神社の参道に辿りついた。
 鳥居をくぐり、石段を進むと朱塗り神門があり、拝殿前に出た。はじめに拝殿前に進み参拝させていただいた後、境内や、境内にある神苑をのんびりと撮影させていただきながら散策した。
 授与所に参拝客がいなくなったのを見計らって、御朱印をいただきに授与所を訪ねると、若い女性が応対して下さった。まず、二荒山神社の御朱印帳をおわけいただいた。聞くと8種類の御朱印がいただけるとのことであったので、この日お受けした御朱印帳に8種、そして、持参した全国一の宮御朱印帳に日光二荒山神社の御朱印をお願いした。すると、引き換え札を渡し下さり、「20分ほどお時間をいただいてよろしいでしょうか?」とのことで特に急ぐ用事もなかったので、「よろしくお願いします。」とお願いすると、男性の神職の方をお呼びになり、二人がかりで対応して下さった。お忙しいところありがとうございました。
 社務所から東の方角にも鳥居が見える。こちらに進んでみることにした。鳥居をくぐるとその先には廊門が続き、その先は真っ直ぐな木陰の道が続いていた。

日光二荒山神社 神門 日光二荒山神社拝殿
日光二荒山神社

東照宮鳥居横をまっすぐ進み、
日光二荒山神社へ。
神門

神門の向こうに拝殿をうかがうことができた。
日光二荒山神社拝殿

拝殿に向かい、参拝。
この頃の天候はまだ曇り。
日光二荒山神社本殿 かえる 日光二荒山神社拝殿
日光二荒山神社本殿

境内をのんびりと散策。
神苑より撮影。
かえる

なぜかかえるが祀られていた。
日光二荒山神社拝殿

この頃太陽が顔を出し始めた。
拝殿横の祈祷受付所には、
いつのまにか傘がほされていた。


日光東照宮

 二荒山神社からのびた真っ直ぐな道を歩くと、日光東照宮の祈祷受付所前に出た。こちらで拝観料を納め、表門をくぐる。
 さて、ここで少し話は脱線するが...。
 小生の住む地方の中学校の修学旅行は日光、東京方面と決まっていたものであるが、なぜか小生の学校は修学旅行というものがなく、東北地方を研究する野外活動なるものが行われたので、日光へ行くことはなく、学生生活を通して、また就職して何年か関東に住んでいたのであるが、日光という場所に訪れたことはなかった。日光、修学旅行と言えば、なんといっても東照宮であろう。そんなこともあって、この日光東照宮に参拝することはこの旅の計画を立て始めた頃から非常に楽しみにしていた。カミサンも例にもれず、修学旅行は日光に訪れていたので、古い記憶を辿っていろいろ話を聞き、色々想像を膨らませ楽しんでいたのである。
 さて話を戻そう。表門をくぐり、何も分からないので、とりあえず人の波に流れて歩く。日光東照宮にはそれなりに観光客が出ていた。案内をするガイドさんや神社の方も出ていたので、要所要所ではこれらの人の説明を聞き耳を立て楽しみながら散策をした。人によってかなり解釈が違うのもまた面白かった。
 陽明門や、眠り猫を見学し、御祭神の墓所となる奥宮に参拝した。また拝殿に参拝し、色々な説明を受け、御祈祷も受けることができた。少々残念だったのは、拝殿前唐門が工事中であったことであろうか。
 さて、御朱印はどこでいただけるのであろうか。途中お会いした神社の女性にたずねると、陽明門横の社務所でいただけるとのことだったので、散策の途中陽明門横の社務所に立ち寄った。ここで日光東照宮の御朱印帳を見つけたので、お受けし、こちらに御朱印をお願いした。この帳面の裏表紙には、小生の名前を書き込んでいいただいた。
 何か有名なものを見忘れているような気がした。そうだ、見ざる、言わざる、聞かざるの三猿を見ていないのである。さて、どこであろうか。しかしまったく心配する必要はない。人だかりしているところに行けば何らかの見るべきものがあるのである。陽明門から表門に向かって歩く途中右手の、神厩舎(しんきゅうしゃ)にて三猿と対面することができた。見るとなかなか愛嬌があり、見入ってしまった。
 神門を出て歩きながら、当時このような施設を造り上げた徳川家の権力を感じずにはいられなかった。

五重塔 陽明門 回廊
五重塔

表門前にて
陽明門

真南を向いているのだそうだ。
(真後ろが北極星の位置だそうだ。)
想像していたよりは小さかった...。
回廊

陽明門の左右に延びる。
壁面には、鳥や花の彫刻が施されている。
眠り猫 奥宮拝殿 聞き耳をたて...
眠り猫

左甚五郎作と言われているとのこと。
この猫にはいろいろな解釈があるようだ。
奥宮拝殿

東照宮の最も深い位置に建つ。
奥宮拝殿は御宝塔の前に建つ。
御祭神の墓所とされる。
聞き耳をたて...

要所要所では聞き耳をたて、
説明を聞いてみる。
ちょっとした修学旅行気分である。
ここでは神社の女性が説明していた。

陽明門の装飾 唐門と御本社
陽明門の装飾

様々な装飾が施されている。
唐門と御本社

残念ながら、唐門は改修工事中であった。
見ざる言わざる聞かざる

なかなか愛嬌があり、
見ていて飽きなかった。


神橋

 日光には、日本三大奇橋の一つに数えられている神橋がある。(日光神橋、山口県錦帯橋、山梨県猿橋)この年の夏山登山で立山に登山した際、山梨経由で帰宅する途中で、猿橋を見学していたので、なおさら興味があった。
 神橋は日光二荒山神社の所有となっており、世界遺産にも登録されているとのことであった。神橋渡橋料(ちなみに300円)を納め、新橋に向かおうとすると、橋の赤い部分も黒い部分も漆で塗られているのだと、係の年配の男性が話してくれた。
 青空の下神橋を渡る。8月ではあったが涼風の中にはもう秋が感じられた。

 神橋  神橋  神橋
神橋

日光の表玄関と言ってよい位置、
道路沿いに架かっていた。
神橋

朱の部分も、黒い部分も、漆塗り
との説明を受けた。
神橋

大谷川に架かり、
世界遺産にも登録されている。


帰路

 神橋渡橋後、近くの土産物屋を覗き、車を停めた日光市営駐車場に戻ったのは13:00過ぎとなった。
 帰路は時間もあるので、高速は使わず、のんびりと下道を走ることにした。14:30過ぎ、国道4号線に入った頃には雨になった。しかし、後は家へ戻るだけなので気にせず車を走らせた。
 途中コンビニで休憩をとったり、夕食をとったりして、自宅への到着は20:40頃となった。フジ丸の距離計によれば、579.2Kmの旅となった。


最後に

登拝証明書 計画していた古峰神社への参拝は行程から外すこととなったが、今回の旅は大変幸運だったと思う。あれほど天気が不安定であったにもかかわらず、小生の行動にはなんの影響も及ぼさなかったからだ。日光二荒山神社中宮祠の神職様の「ラッキーでしたね」という言葉がこの旅全般を表していると思う。
 また、今回の旅は登山中心、さらに単独登山と体力的、精神的ににはかなり気を使うはずであったが、思い返せば非常に楽しかったことのみが思い出され、不思議と登山途中の苦しかったことや、下山時の足の痛みなどは記憶が薄れてきている。それだけ興味あるものを見、出会った方との会話を楽しむっといった、密度の濃い旅ができたのだと思う。
 日光は大変奥深い魅力のある地であった。また機会を見つけて訪ねてみたいと思う。
 (左の画像は日光二荒山神社中宮祠で発行していただいた、登頂証明書である。)

 Ps.
 中禅寺湖の温泉で変色してしまったリングは装飾品用のクリーナー一拭きで事無きを得たことを書き記しておく。





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