白山登山

2006.7.14～2006.7.18
白山登山
白山奥宮、白山比咩神社、(安宅住吉神社)、(尾山神社)、射水神社、高瀬神社

はじめに

　7月半ばになったのであるが、梅雨が明けてくれず、仙台では毎日のように雨が降り続く。7月の海の日を含んだ連休に、旅の友人小林氏と白山に登山しようと計画をしていたので、心配な日々が続いていた。
　小林氏とは夏山に登山することが年中行事の一つとなっていて、今年は石川県の白山に登山し、白山さんの奥宮に参拝しようと決めていた。
　あらかじめ、お互いに参拝したい神社や観光地を抽出した後は、基本的な旅程や、山小屋や、旅行先での宿泊先の予約はいつものように小林氏に委ね、小生はドライバーに徹することとなった。
　それから、気になる点が一点あった。会社の健康診断の胃の検診でひっかかり、先日胃カメラを飲んだ。お医者様、看護士の皆さんの目視では多分問題はないと思うが、一応組織検査も行っておこうということになり、その結果がこの旅の直前まで出ていなかった。が...結果は白。結果が出ていなければ今ひとつ何かを抱えながらの旅となるところであったが、晴れて今回の旅を楽しむことができることとなった。

7月14日

　仙台の天気は、晴れとまではいかないが、雨は降っておらず、気温も高い。この天気が続いてほしいと思い、会社で業務をこなした。
　会社を少し早く退けて家に戻り、フジ丸に荷物を積み込み17:00に出発した。東北自動車道に入り、都区内の小林氏との待ち合わせ場所を目指す。途中栃木付近で大雨に降られたが順調に進み、蓮田SAで軽い夕食をとるとともに、小林氏に待ち合わせ場所への概算の到着時間を知らせた。
　計画よりも多少早く小林氏と合流でき、早速白山を目指した。首都高は空いていた。ところが外環に入ったところで事故渋滞となりまったく動かなくなってしまった。約2時間のロス。下道を使い川越から関越自動車道に入り、タイムロスを取り戻すべく、夜中ひたすら走った。、

7月15日

　途中のSAで朝食をとり、自家用車で進入することができる登山の起点、一ノ瀬に到着したのは6:00過ぎとなった。本来、別当出合が出発点となるのであるが、この時期は曜日による交通規制が行われており、一ノ瀬からバスで別当出合まで移動しなければならない。
　計画ではもっと早い時間に到着し、早いバスで登山口まで移動して、登山を開始する予定であったのであるが、外環での事故渋滞の影響で、7:10発のバスに乗車することになった。(仮眠もとることができず...) 　別当出合に到着し、7:30に登山を開始した。天気は小雨、残念な天気である。レインコートを着込み山道を歩く。霧、雨、風...途中草花が多く、晴れていれば...。残念であるが仕方がない。未だ雪が残っている部分もあり、視界も悪いので慎重に登った。というよりも、徹夜明けでの登山であったので小生のペースが上がらなかったというのが正確な表現である。
　　　　　　　　　　　　


通行規制期間中バスにて登山口別当出合まで移動する。	残雪白山では登山道の途中には、まだ雪が残る。	室堂まであとわずか... 木道を余裕しゃくしゃくで歩く小生この後、最後の難関が待ち受けているとも知らずに...

室堂

　白山本宮の祈祷殿があり、そしてこの夜のの宿泊施設のある室堂に到着したのは13:00頃となった。
　宿泊施設で、予約の旨を伝えて宿泊手続きを行うと、夕食券と朝食券を渡され、部屋に案内された。案内された部屋は2段ベットになっており、20人部屋であった。因みに小生達は下の段で、個人のスペースは敷布団1枚分+α。山小屋とはこんなものである。

白山奥宮

　荷物を部屋に置き、登山途中の雨で濡れた衣類を乾燥室に運んだ足で、白山本宮祈祷殿に向かった。室堂の宿泊施設に近接して白山奥宮の祈祷殿が建っている。祈祷殿の扉を開けると、若い女性がおられ、応対して下さった。御朱印をお願いすると、4種類あるとのことだった。授与品を見ると御朱印帳もあったので、こちらの帳面もお受けし、持参した御朱印帳と、この御朱印帳の2冊に1種類ずつ、計2種類の御朱印をお受けした。ご祈祷をお願いすると、明日の朝に執り行って下さることになった。晴れていれば、日の出とともに白山頂上の奥宮で、雨の場合にはこの祈祷殿でとのお話であった。
　「明日お待ちしておりますので。」「ありがとうございます。よろしくお願いします。」といって祈祷殿を後にした。
　奥宮で祈祷が行える場合には、日の出の1時間前に太鼓が打ち鳴らされるそうである。

　軽く昼食をとった。といっても小林氏はカップ麺と柿の種、小生はオレンジジュースをさっととり、部屋に戻る。
　部屋に戻ると、小林氏は眠りに落ちてしまった。小生はどうしようかと思ったが、せっかくなので、室堂の施設の中を探検してみることにした(雨が降っているので本当に施設の中のみであるが...。)。が、直ぐにねた切れとなってしまい、結局のところ、売店で生ビールを買い、一杯と洒落込んでみた。夕食までは時間が沢山あったので、本当にのんびりとビールを飲んだ。こういうところで飲むビールはまた格別であった。
　夕食は食券に書かれた時間に従った入れ替え制になっている。ご飯とお味噌汁はおかわり自由であった。久しぶりに山小屋の食事を楽しんだ。
　夕食を済ませ部屋に戻る。雨はますます強くなっているようだ。部屋に戻ったのは18:00過ぎ。特にすることはなく、翌日の日の出は4時過ぎなので、頂上までの移動を考えると、3時頃には起きなければならないので、寝てしまうことにした。布団に入るとあっという間に眠りに落ちてしまった。

7月16日

　3:00過ぎに、周りの登山客が起きはじめ、身支度をし始めたので、特に目覚ましの必要もなく目が覚めた。外は大雨であるが、彼らは頂上を目指すようだ。
　小林氏と確認しあったのであるが、太鼓はなっていない。とりあえず、祈祷殿に顔を出してみたが、まだ閉まっており、祈祷殿は6:00に開くとの張り紙が貼ってあったので、その時間に再度訪れることにして部屋に戻り一寝入りして時間を待った。

白山奥宮

　6:00になり、祈祷殿が開かられた。少しすると、狭い祈祷殿内は参拝客で一杯となった。
　今回は道中安全のご祈祷をお受けした。祈祷は、山頂の小さな祈祷殿での儀式であるので、略式で行われると思っていたのであるが、大変丁寧に執り行っていただくことができた。
　　　　　　　　　　　　


早朝の白山奥宮祈祷殿天気は大荒れである。	白山奥宮祈祷殿内こちらで御祈祷を執り行っていただいた。	風雨強し祈祷殿前の鳥居から飛ばされていた。

下山

　朝食をとり、7:30に下山を開始した。途中ほとんど休むことなく下り続け、別当出合に到着したのは9:40頃になった。天候は最悪で雨風が強かった為、登山経験の浅いメンバが混ざったパーティーの足なみが遅く、かなりのパーティーを追い越しての下山となった。一気に下山したので、膝にかなりの負担をかけてしまったようだ。
　バスを一本見送り、ゆっくりして下山しようとも考えたが、天候不順でバスの運行時間も計画通りではないらしかったので、最も早く出発する予定の、一ノ瀬行き10:10発のバスに乗った。一の瀬のビジターセンターで濡れた衣服を着替え、白山を後にした。
　この日は、疲れていると予想されていたので、白山比咩神社と、安宅神社にのみ参拝して宿に向かう計画でいたのであるが、実際この計画に沿うことになった。
　途中、水物休憩をとり、白山比咩神社に到着したのは、12:00になった。

白山比咩神社
　白山比咩神社拝殿

　
　参道前の駐車場にフジ丸を停め、拝殿を目指す。天気は小雨。傘をさし、拝殿まではなだらかな石段を登る。なだらかではあるのだが、登山後の小生の足にはかなりきつかった。
　拝殿前に進み、無事白山登山を成し遂げたことを報告し、お参りさせていただいた後、拝殿横の授与所を訪ね、御朱印をお願いした。
　御朱印をお受けした後、授与所におられた若い女性と雑談など...。白山登山からの帰りにお参りさせていただいていると話し、山頂でもお若い女性に応対していただいたことを話すと、こちらの神社の皆さんは、この夏山の期間中、交代で山頂に御奉仕するとのことで、この女性ももうすぐ山頂に詰められるとのお話を明るく話して下さった。

安宅住吉神社

　旅の計画を立てる際に安宅(住吉)神社にお参りしたいと小林氏から告げられた時、安宅と聞いて、歌舞伎勧進帳の安宅の関を思い浮かべた。白山比咩神社から安宅神社に向かう途中、勧進帳の話等をしながら車を走らせた。
　13:30頃、安宅住吉神社に到着した。拝殿に向かってお参りしようとすると、突然神職さんに呼び停められ、社務所に招かれ、安宅住吉神社の歴史や、勧進帳など、楽しいお話を流暢に語って下さった。
　安宅の関は、源頼朝が義経主従を捕らえることのみを目的に作られた関所であったこと、そして、この神社は安宅住吉神社といい、この安宅の関のエピソードより前からこの地に鎮座していたことなど。そして、勧進帳の語りなどは大変楽しく拝聴することができた。(その口上は大変見事なものだった。)
　神社の境内は広く、安宅の関跡や、弁慶像等を見学した。
　　　　　　　　


弁慶像勧進帳を読み上げる弁慶。勧進帳のエピソードで大変有名なシーン。	安宅住吉神社拝殿安宅住吉神社の境内は広い。安宅の関(歌舞伎勧進帳で有名)跡もこの神社の境内にある。

金沢の夜

　16:00頃にこの日の宿泊先に到着した。宿泊は金沢市の街中の旅館、大安「おおやす」である。一風呂浴び、18:30頃、街に繰り出した。
　夕食は宿からさほど離れていない「丸庵」で、海の幸を魚に一杯ひっかけた。
　明日もあるので、あまり遅くならぬうちにお開き。宿に帰り休んだ。

7月17日

　朝起きると足が筋肉痛である。さらに雨が降っていた。テレビではこの地方の洪水のニュースが流れている。金沢観光をする予定であったのだが、あまり歩きまわる気にはならなかったので、宿からさほど遠くない尾山神社に参拝した後、土産物を調達し、金沢を後にすることにした。

尾山神社

　尾山神社は金沢城公園内に鎮座しており、加賀藩藩主前田利家と、その妻、松子を御祭神としているとのことであった。
　観光地だけあって、多くの観光客が訪れていた。
　神門が大変特徴的で、ステンドグラスが輝く。晴れていれば輝きを増すことであろう。
　　　　　　　　


尾山神社神門神門にはステンドグラスがはめ込まれている。	尾山神社拝殿天気は今一つであったが、多くの観光客が訪れていた。

　金沢駅前の駐車場にフジ丸を停め、駅ビルの名店街で土産物を調達した。その後、高速を使い、射水神社を目指す。
　途中のSAで昼食に加賀百万石ご膳を食す。格別に美味しいというものではなかったが、刺身や、治部煮等を楽しむことができた。

射水神社

　能登自動車道高岡ICで高速を下り、射水神社を目指した。射水神社は高岡古城公園内に鎮座しており、神社の周りは狭い道が多く神社の駐車場に到着するまで少々気を使った。
　道を知っていれば、広い道づたいで移動できたのであろうが、Naviの誘導がかなり狭い道を示していたのである。

　余談ではあるが...
　この神社に到着した時に、小生はこの神社に関して、大きな勘違いしていることが分かった。この射水神社と、高瀬神社を勘違いして記憶していたのである。
　時間的関係で、能登半島近辺にある一の宮3社は場所が近接しているので、別の機会にまとめて参拝することにして、位置的に離れている高瀬神社さんにのみ参拝して帰路につく予定であった。しかし、なぜか能登の3社のうちの1社の射水神社と、高瀬神社の位置を誤って記憶しており、小林氏に射水神社に参拝して帰路につこうと進言していたのである。
　小林氏も、なぜ高瀬さんではなく、射水さんにこだわったのか理解できなかったとのことで、この勘違いの話でで合点がいったとのことだった。

　さて、射水神社の拝殿に向かうと、改築中であった。
　仮の拝殿で参拝をさせていただき、授与所を訪ね、そこにおられた女性に御朱印をお願いしつつ、拝殿の様子をお聞きすると、今年8月に工事完了予定であるとのことであった。能登半島の他の2社のお参りの際にまた訪れたい旨をお話すると、お待ちしておりますとのお返事をいただいた。
　　　　　　　　


射水神社拝殿残念ながら改装工事中であった。	射水神社拝殿遠景このように撮影しておけば、工事中には見えないか?

高瀬神社

　時間を見るとまだ余裕があり、なんとか高瀬神社にもお参りすることができそうであったので、射水神社から高瀬神社を目指した。
　神社に近づくと、大鳥居が見えてきた。大鳥居をくぐって数分で高瀬神社に到着した。　拝殿前に進み、お参りさせていただいた後、授与所にて御朱印をお願いした。御朱印をお願いしている間、しばし社務所におられみなさんとお話をさせていただいた。「どちらからのお参りですか?」の問いに「仙台からです。」と答えると、観光ガイドなど、様々な資料を下さり、この地方を旅するならば、梅雨に入る前、春に旅するのがよいとのお話を伺った。
　　　　　　　　


高瀬神社大鳥居この鳥居をくぐると、高瀬神社はもう近い。なぜか鳥居を見てほっとしたと共に旅の終わりを悟り、少々寂しくも思い...。	高瀬神社拝殿境内は大変きれいに整備されている。

帰路

　途中天気は大荒れで、高速道路上で50Km規制が行われている区間もあった。東京で小林氏と別れ、東北自動車道を北上した。
　自宅到着は7月18日、0:20頃、総走行距離は1915Kmとなった。

最後に

　今回の旅は、残念ながら天気には恵まれなかった。特に白山登山はこの天候のためにかなり苦労した。ぜひまたの機会にチャレンジしてみたいと思う。
　しかしそれはそれとして、参拝を予定していた神社を訪ねることができ、色々と楽しむことができたと考えている。