2004.11.20〜2004.11.21 三年続けて... (一の宮巡拝記 外伝1) 金華山黄金山神社 |
三年続けてお詣りすれば、金には不自由はさせまい、すまい
これは、以前金華山黄金山神社に参拝した際に聞いた言葉であった。
金華山黄金山神社は、宮城県の牡鹿半島の沖に浮かぶ小さな金華山という島に鎮座している神社である。
参拝のしおりにあった内容を交えこの神社の簡単な説明とこの旅について少し...
今から凡そ1250年前、聖武天皇の御代天平二十一年(西暦七四九年)に、陸奥の国守百済王敬福が朝廷に黄金を献上した。天皇は大いに喜ばれ、年号を天平勝宝と改められた。この史実に因み、同二年牡鹿連宮麿等が、相議り国守に請願し秀麗の地金華山に金を司る金山毘古神、金山毘賣神を奉祀し、神社を創建したのが、金華山黄金山神社である。
また、この神社では、神仏混淆時代の古くからこの金華山を霊山として崇敬した修験者等により盛んに行われ、伝わる大護摩祈祷が、この神社独自の修法で毎日斎行されている。そして、この神社の参集殿に宿泊(参籠)することができ、あわせて、朝一番初めに執り行われる、大護摩祈祷を受けることができる。
この話を旅の友人小林氏に話すと、ぜひ参拝したいとのことであった。 この話をしたのは2002年の話であったのだが、お互い予定が合わず、のびのびとなっていたのであるが、この年の11月21日〜22日の期間でお参りすることとした。
11月20日
6:00少し前、仙台駅東口のバスターミナルに小林氏を乗せた高速バスが到着した。いつものことであるが、小林氏の旅には時間的無駄がない。余談ではあるが、今回の旅にはレンタカーを使用した。
早速車に乗りこみ、石巻方面を目指す。途中食事を取り、利府中ICより三陸縦貫自動車道を使用し、石巻河南ICで下りる。その後、国道398号線、県道2号線で、鮎川を目指す。
金華山へは、鮎川、女川、塩釜から船で渡ることになるのであるが、冬季運行中で、女川からの船便は少なく、塩釜は団体予約の場合のみのようであったので、鮎川から船に乗る計画を立てていた。
鮎川の無料駐車場に到着したのは、8:15少し前。車を停めて、鮎川港FTに向かうと、丸中金華山汽船の係の方が、「8:20発の便に乗るといいよ。」と、発券所に案内してくれた。
「往復になさいますか?」と問われたが、21日は何時になるかわからない(金華山には2つの船会社が就航しており、どちらを利用するかはその時になってみないとわからなかった)ので、片道のみの切符を購入して、船に駆け込んだ。
金華山への船旅は多少ゆれたが大変快適であった。約150人乗の高速船には15人程度しか乗っていない。我々2人と、金華山でのハイキングが目的であろうか、登山の装備をされたご年配の3人のパーティーが1組の他は皆金華山のフェリーターミナルの方や、土産物屋の方達のようだった。
多少の揺れも揺り篭のようである。小林氏は高速バスでの長距離移動、小生も朝4時起きと、船からの景色を楽しむ間もなく、眠りに落ちてしまい、気付くと金華山港のすぐ近くまで船は到達していた。
8:50、上陸すると、金華山黄金山神社のバスが港まで来ていた。このバスは、港から神社まで参拝客を乗せて走ってくれる。港から神社までは歩くと20分程度の登り坂となる。前回参拝に訪れた際、後先を考えず、神社まで駆け上がり、その後の山歩きに多少なりとも影響が出たことが思い出された。今回は素直にバスに乗せていただくことにした。
参集殿宿泊の電話を事前に入れさせていただいた時に、
「神社に付いたらまずは社務所にて受付を済ませ、お部屋に荷物をおいて身軽になってから散策されるといいですよ。」
とお話をいただいていたので、早速社務所に向かい、宿泊の旨を申し出る。すると、手続きは護摩祈祷受付所でとのことであったので、そちらに向かう。
手続きは、簡単に言ってしまえばホテルのチェックインの時と同じように専用の用紙に名前や住所、年齢等を書き込むのであるが、その用紙が祈祷申し込み書となっていたところがなかなか面白かった。
用紙を神職の方に渡すと、スケジュールを紙に書き込んだ日程表をくださった。
17:00〜18:00の間が入浴時間、18:00〜夕食、21:00就寝、6:30起床、7:00ご祈祷の後朝食とあった。
21:00はかなり早い就寝だなとふと考えたが、その時間まで起きていることができない自分達に気付くことになるのはこの日の夜のことであった。
受付を済ませ、参集殿にある社務所にて部屋に荷物を置かせていただきたい旨お話すると、もう既に部屋の準備はできているとのことで、403号室に通された。
既に熱いお湯やお茶菓子が準備されていた。海側の部屋で窓からの眺めもなかなか美しいものであった。
歩き回る準備、小生はカメラ装備一式が入ったバックパックを背負い、小林氏は動画も撮とることができる小型デジカメ(相変らず身軽である)を持ち、早速散策を開始した。
金華山黄金山神社拝殿
参集殿を出て直進すると拝殿への急な石段が続く。
石段を上り、金華山散策の前に拝殿にてお参りし、9:00過ぎに拝殿横の恵比寿神社脇の登山口から金華山頂上を目指した。
11月中旬も過ぎた時期であったが、この日は大変暖かく、歩いていると汗が噴出してきた。時期が時期、場所が場所なだけに防寒対策が心配されたが、結果的には薄手の格好で正解であったと思う。
金華山山頂に到達したのは10:00頃。金華山黄金神社奥宮の大海つみ神社(おおわだつみじんじゃ)に参拝した。この日は晴れており、海の向こうに牡鹿半島を見ることができた。
大海つみ神社(おおわだつみじんじゃ) | 金華山山頂にて | 金華山山頂からの眺め |
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千畳敷
小林氏は、社務所でいただいた、金華山案内図にある、ホテル跡地と書かれた箇所に興味を示しており、そこに行ってみることにした。このホテル跡地に行くためには、金華山の丁度中央部を横断する必要がある。途中、野生のサルに遭遇、この日サルを見かけたはこの一度だけであった。道はせせらぎの森と呼ばれる木々にかこまれた涼しげな森の中の登り坂が続く。しかし、これまでの道と異なり、今一つ道がはっきりしておらず、多少不安になりながら歩く。また膝の状況もよろしくなく、ところどころ休み休み歩いた。二の峠で、大海つみ神社からの道と合流する地点があり、ここからは下り坂が続いた。
ホテル跡地に到着し、小林氏がホテル跡地の撮影をしている間、小生はのんびりと海を眺めた。日ごろの業務を忘れ、のんびりした時間が流れた。
ホテル跡地を後にし、金華山港に向かう、13:00頃、金華山港に到着。土産物は明日購入する予定であったが、少し見ておくことにした。
金華山の定番、海苔の佃煮、そして、まつも、とろろ昆布、ふ海苔等、土産物屋のおばちゃんには、今日は宿泊するので、明日帰りの船に乗り込む前に購入することをつげた。
大汗をかいたので、水物を購入し、水分補給をしていると、小林氏はいつのまに購入したのか、かもめの餌(かっぱえびせん)を購入し、かもめの餌付けを行っている。この間を利用して、港付近の鳥居等を撮影した。
少しすると、神社のバスが下りてきた。かなり歩いて疲れていたので、バスで、神社まで送っていただいた。
神社の境内でバスを下り、境内の散策を開始する前に護摩祈祷受付所を訪ね御朱印をいただいた。この神社の御朱印は、以前参拝した際にいただいていたのであるが、折角お参りさせていただいているのでいただいておくことにしたのである。その後、境内を散策しながら撮影して歩いた。
青銅の常夜燈 | 拝殿前にて | 境内にて |
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楼門夕暮れ | 陽 | 月 |
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